刹那(せつな)の瞬き

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B450 AORUS PRO WIFIのBIOS更新でのアレコレ

GIGABYTEB450 AORUS PRO WIFI を購入して 5 年が経過します。

少々思うところがあり、BIOS を F64e (2023-09-21) まで更新しました。

更新後、私の環境では特に問題は発生してません。
BIOS 画面の機能が改善され、CPU の脆弱性対策もできて作業結果には満足してます。

ただ、その過程で色々あったので、以下にその顛末を残しておきます。

BIOS 更新作業前の PC 環境

購入当初はメモリ関連で些細な不備があり、BIOS を F32 まで更新しました。

  • CPU は Ryzen 5 2600X (Zen+)
  • BIOS: F40 以降は第3世代 Ryzen 対応と解釈し、F32 で止める
  • 当時の OS は Windows 10
  • 将来 F40 への準備として EC FW Update Tool (B19.0606.1) は適用済み

F32 までの更新で私が気になる不備は解消され、致命的な障害報告もありません。
なので、新しい BIOS が提供されても私には必要ないと考えてました。

B450 だけど、もうしばらく戦えそう

昨年発売された Zen 4 アーキテクチャからパッケージが AM5 になりました。
一気に Socket AM5 への移行が進むのかと思いきや、現状はそうでもないようです。

私も価格次第ですが、今のところは現状維持で良いと思ってます。

私が所有してるASUS Vivobook Pro 14 OLED M3401QA (Ryzen 9 5900HX) にベンチマークで劣る Ryzen 5 2600X ですが、実際の用途では特に不満はありません。

どちらかと言えば性能より OS 起動用 SSD/HDD を複数接続できる方が望ましいです。
なので M.2 の使用は控えてます。1 OS なら M.2 NVMe は速くて良いんですけどね。

M/B の B450 はチップセット単体で PCIe 2.0 / SATA x 4 ポートです。
メンテ用の Windows で 1 ポート、その他 OS で 3 ポート 利用できます。
そして ASATA x 2 ポートのおまけ付き。費用対効果を鑑みると私的には好物件でした。

仮に M/B が故障した場合、後継の B550 だと Zen+ な Ryzen 5 2600X は非対応です。
X570, B450 等の対応 M/B を探すか、CPU を諦めて別の構成にするしかありません。

一方で B450 は BIOS 次第で Ryzen 5000 シリーズまで対応するようです。

当面、CPU を換装してまで性能強化する予定はないのですが、もし不足を感じたら、Ryzen 5 5600X (PCIe 4.0) か 5600G (PCIe 3.0) に換装するのも良さそうです。
Ryzen 5 2600X は PCIe 3.0 / 最大レーン数 24 (16x GPU / 4x General / 4x Chipset Link)

そんな感じで、新しい BIOS に興味が湧きました。

BIOS の更新履歴に CPU 関連の脆弱性で気になる記述あり

幸いなことにB450 AORUS PRO WIFI BIOS の提供は現在も継続してます。

公式サイトの BIOS 情報を確認したところ、見過ごせない記述がありました。

• Major vulnerabilities updates, customers are strongly encouraged to update to this release at the earliest.

これはバージョン F62 の詳細欄に書かれている情報ですが、「主要な脆弱性の更新」とか「更新を強くお勧めする」とか、およそ BIOS 更新らしくない表現が使われてます。

脆弱性について、軽く調べたのですが Zen+ 関連は見つけられませんでした。
古い世代の情報なので見つけ難かっただけかもしれません。

対象外としても、何らかの脆弱性対策が施されているなら、最新の BIOS に更新するべきでしょう。しかし、その結果 2600X の使用に支障を来たすのは困ります。

幸い CPU の脆弱性を調べる過程で、たまたま同じ M/B ユーザの情報を見つけました。
その方は F32 以降の新しい BIOS で 2600X を使用中との事。

それならばと、私も BIOS 更新を決意しました。

Windows 11 22H2 から BIOS 更新できずにモヤモヤ

現在、私の Windows 11 22H2 (Build: 22621.2428) 環境では @BIOS が動作しません。

@BIOS を実行すると DLL をロードできず、起動に失敗します。
コア分離のメモリ整合性を「オフ」にしても同様です。

ダメ元で EC FW Update Tool (Win10 用)も試しましたが、こちらも同様に失敗します。Windows 11 用が提供されていないので、Windows 10 なら問題ないかもしれません。

何れにしても今更 Windows 10 環境を用意するのは面倒です。
ここは素直に Q-Flash 経由で BIOS を更新するべきでしょう。

BIOS 更新は Q-Flash で問題なし (F32 -> F40 -> F50 -> F62 -> F64e)

Q-Flash での更新作業は、ダウンロードした BIOS ファイルを FAT32 形式でフォーマットされた USB メモリにコピーして、BIOS 画面の Q-Flash メニューから指定するだけです。

公式サイトの BIOS 情報に従い、段階的に更新していきます。

(1) F32 -> F40

作業開始時点での BIOS は F32 なので、まずは F40 に更新しました。

その際、事前に EC FW Update Tool (Win10用) を実行しておくべきなのですが、前述したように、今の私の環境 (Windows 11 22H2) では実行しても処理に失敗します。

Windows 10 の時点で EC FW Update Tool を実行しておいて、本当に良かったです。

(2) F40 -> F50

この手順は不要かもしれません。
私は公式サイトの注意書きが気になったので、一旦 F50 に更新しました。

更新後 PC を再起動したところ F50 の BIOS 画面からメニューに変化がありました。
特に起動デバイスの設定項目が増えたのが嬉しいところです。

(3) F50 -> F62

この手順も不要かもしれません。
F50 の Q-Flash から Dual BIOS の更新方法が選択可能でしたが既定のままです。

F62 は前述した脆弱性の対策済みバージョンなのと、fTPM の既定値が Enabled に変更されたので、その確認のために更新しました。

(4) F62 -> 最新バージョンの BIOS  ( 現在は F64e )

最新の BIOS に更新したいところなのですが、F62 更新以降の BIOS は公開されているバージョンに変動がありました。

少し前まで F64a が公開されていたのですが、より新しい F64e に置き換わってます。

現在確認できる最新バージョンなので、 F64e に更新しました。

現在の構成

BIOS を更新したので、改めて現在の構成を確認します。

主なハードウェア
CPU AMD Ryzen 5 2600X (Zen+)
M/B GIGABYTE B450 AORUS PRO WIFI (BIOS: F64e / AMD AGESA V2 1.2.0.B)
GPU NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti
Mem G.Skill F4-3600C19D-16GSXWB ( 2 枚組 )
Dual Channel (A: DDR4_2,  B: DDR4_1) に装着
主な BIOS 設定 (F64e)
SVM AMD SVM Mode は Enabled
「M.I.T」メニューの「Advanced Frequency Settings」から「Advanced CPU Core Settings」に進み「SVM Mode」を Enabled に設定。
Mem

「M.I.T」メニューの「Advanced Frequency Settings」で確認すると、既定は 3600MHz だが自動認識だと 2133MHz で動作。

「M.I.T」メニューの「Advanced Memory Settings」から 「Extreame Memory Profile(X.M.P.) 」を Disabled に設定。
続いて「System Memory Multiplier」を「29.33」に設定。

※ 2933MHz では 15-15-15-15-36 で動作中

UEFI CSM UEFI CSM Support は Enabled
BIOS」メニューの「CSM Support」を Disabled に設定していたが、既定値(Enabled) に戻した。
TPM TPM 2.0
「Peripherals」メニューの「AMD CPU fTPM」は 既定値 (Enabled) のまま。
「Trusted Computing 2.0」の各設定は既定値のまま。

現在、B450 の SATASSD/HDD を 4 台接続して、4 つの OS を使い分けてますが、Windows 11 22H2, その他 OS は問題なく動作してます。

ちなみに BIOS F64e の AMD AGESA 1.2.0.B は Inception 攻撃対策済みらしいです。
影響を受ける Ryzen 5000 シリーズに換装しても良さそうな感じです。

CPU を換装する際はメモリを 2 枚刺しで試して、正常に認識・起動すれば、 EC FW Tool が正しく適用されていると考えて良いのかな。

また、密かに期待してたメモリのオーバークロック動作は少し改善してました。

2600X の定格動作では DDR4-2933 (1Rank / 2DIMM) が最速です。
以前はメモリ本来の 3600MHz まで上げて再起動するとリブートを繰り返し BIOS 画面まで到達しませんでしたが、今回は不安定ですが何度か起動まで漕ぎ着けてます。

ロマンは感じますが無謀が過ぎるので、現在は 2933MHz で常用してます。