最近、KDE Plasma 5 を仮想環境で試してたのですが、久しぶりに実機で使いたくなるくらい良い感じです。
ちょうど Ubuntu 20.04 LTS と共に Kubuntu フレーバーもリリースされたので、実機にインストールしてみました。
ここで気になったのが、掲題の件です。
私が愛用してるトラックボールは Logitech Marble Mouse USB (T-BC21) です。
Ubuntu では公式のコミュニティサイトの記載に従い設定すると、右ボタン(小)を押しっぱなし状態のままボールをぐりぐり動かすとスクロールします。
この疑似ホイール機能が、Kubuntu でも有効なのか確認してみました。
1. 初期状態での機能確認
まずは、Kubuntu インストール直後の状態です。
Marble Mouse の各ボタンは Ubuntu と同様に機能しています。
ボタン | xorg から見える ボタン番号 |
機能 | 動作 |
---|---|---|---|
左ボタン(大) | 1 | Left | マウスの左ボタン |
左ボタン(小) | 8 | Back | 1クリックで「戻る」 |
右ボタン(小) | 9 | Forward | 1クリックで「進む」 |
右ボタン(大) | 3 | Right | マウスの右ボタン |
Kubuntu 20.04 でも Wayland ではなく Xorg のままなので、疑似ホイール機能を追加できそうです。
2. 設定内容とデバイスの確認
やりたい事は、前述したサイトのExample Configuration #1: add wheel emulation feature
に記載されているので、この X Configuration File の設定内容をそのまま利用します。
Section "InputClass"
Identifier "Marble Mouse"
MatchProduct "Logitech USB Trackball"
Driver "libinput"
Option "ScrollMethod" "button"
Option "ScrollButton" "9"
EndSection
一応、Marble Mouse の認識状態を確認します。
$ xinput list
⎡ Virtual core pointer id=2 [master pointer (3)]
⎜ ↳ Virtual core XTEST pointer id=4 [slave pointer (2)]
⎜ ↳ Logitech USB Trackball id=8 [slave pointer (2)]
⎜ ↳ Composite USB PS2 Converter USB to PS2 Adaptor v1.12 Mouse id=10[slave pointer (2)]
〜(以下、省略)〜
この結果から、libinput が認識するデバイス名は "Logitech USB Trackball" なので、前述の設定内容のままで良さそうです。
3. xorg.conf.d ディレクトリの所在確認
Konsole から確認してみます。
$ cd /usr/share/X11/xorg.conf.d/
$ ls
10-amdgpu.conf 10-quirks.conf 40-libinput.conf
10-nvidia.conf 10-radeon.conf 70-wacom.conf
このディレクトリに対し、2つの設定方法があります。
- ここにある 40-libinput.conf を編集して、設定内容を最下行に追記する。
- 設定内容を別途 41-marblemouse.conf とか適当な名前を付けてファイルを保存する。
どちらの方法でも再起動、または。セッションをログアウトして再ログインすれば疑似ホイール機能が有効になります。
私は当初sudo vi 40-libinput.conf
のように、既存のファイルを編集してましたが、設定頻度が増えてしまったので、今は別名のファイルにしています。
4. 設定後の動作確認
設定後は今までの機能に加えて、疑似ホイール機能が追加されています。
ボタン | xorg から見える ボタン番号 |
機能 | 動作 |
---|---|---|---|
左ボタン(大) | 1 | Left | マウスの左ボタン |
左ボタン(小) | 8 | Back | 1クリックで「戻る」 |
右ボタン(小) | 9 | Forward | 1クリックで「進む」 または、 押下したまま、同時にボール を動かすと、水平・垂直方向 にスクロールする。 |
右ボタン(大) | 3 | Right | マウスの右ボタン |
Firefox や Chrome でページの「戻る」「進む」は今まで通り。
加えて、ボールでぐりぐりスクロールできるのは、とても便利に感じます。
....
ちなみに現在も Logicool から同型の TrackMan Marble が販売されてます。
現行機は、型番が TM-150n なので、完全互換かどうかは確認できていません。
壊れたら買い換えるつもりですが、そもそも16年以上使ってても壊れないし、予備でもう1機持ってるので、そんな日がくるのかどうか...