刹那(せつな)の瞬き

Willkömmen! Ich heiße Setsuna. Haben Sie etwas Zeit für mich?

ご挨拶に伺う予定だったのに

数日前、在職中にお世話になった会社の社長が急逝されました。
訃報が届いたのが月曜日で、昨晩はお通夜にも参列してきました。
経営者の66歳なんて、まだまだ現役で活躍される年齢です。
これからも長いお付き合いを、と思ってたのに残念でなりません。

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僕が前職に就いて、最初のお客様でした。
直接担当してた訳ではないのですが、何故か訪問する機会がよくありました。
→ 営業部長に騙されて連行されるパターンとも言えます。

普段から仕事に関しては厳しく、それでも笑顔の絶えない方でした。
要求されるテーマには無理難題もあったけど、その本質は共感できるものばかり。
「頭の中ではシステムの設計図ができてるんだけど、なぜか実現できないんだよねぇ」
そんなボヤキもよく聞きました。 → 僕や担当者は苦笑い

まぁ、15・16年前の技術では、そのアイデアを実現するのにコストがちょっと・・・
今の技術なら十分可能なのですが、その当時に思いついてた事がすごい。

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実は前職時代に一度だけ、ものすごく怒られた事があります。
※この件は、元同僚数人しか知りません。

詳細は書けませんが、「口で治す」ような事をしてしまいました。

話の分かる方なので、状況を説明して、「じゃあ仕方ないね」と言ってもらおうと。
ところが、この一連のやり取りが逆鱗に触れたようで、烈火のように怒り出しました。
僕がなだめても全く聞く耳を持ちません。

「君の説明だと、100%メーカーの責任だ!」
「製品に瑕疵があるものを売りつけるのか!」
・・・他にも言われましたが、全てはお客様として当然のクレームでした。

返品要求。説明責任。賠償請求。・・・、一時はどうなるかと思いました。
苦心の末、どうにか収拾をつける事ができましたが、あの時の冷や汗は忘れられません。

きっと当時の僕は調子に乗って、大切な事を失念してたのでしょう。
僕を猛省させるには充分すぎる事件でした。
そして、仕事に対する姿勢・考え方にも大きく影響した事は言うまでもありません。

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僕が退職する頃には、ほとんどお会いする機会はありませんでした。
だからこそ、退職後にご挨拶したかったのですが・・・
まさか、訪問予定日に入院されるなんて・・・

僕に全幅の信頼を寄せてくださった事は今でも感謝してます。
ご冥福をお祈り致します。